2009年3月11日水曜日

今月のBPO(放送倫理検証委員会)の不定期コーナー

第22回 放送倫理検証委員会 2009(平成21)年 2月13日(金)午後5時~7時30分 http://www.bpo.gr.jp/kensyo/giji/2008/022.html
2. ブログを捏造して放送したクイズバラエティー番組
 これ、知ってる人多いと思うんですが……  個人的にはもうこれはどうしようもない、と思っていたのですが…… 結論:個別の事案としては取り上げないが、バラエティー論の一環として他の事案と共に改めて検討することにした。
 <主な委員の意見> ・ネットもメディアである。テレビというメディアが他のメディアを扱うときの常識の欠如。なぜこういう企画が通るのか。 ・何で大騒ぎするのか。被害は何なのか、何もないではないか。どこかで歯車が狂ってきている。 ・しかし、捏造といえば捏造というカテゴリーだ。 ・大した問題じゃないしレベルが低いから放っておけばいいというのとはちょっと違う。番組制作の安易さに対して苦言を呈したい。制作費がないのならば知恵を働かせるのがプロだ。ブログ上のウソを責めるような企画ではなく、他に目を向けて頑張ってほしい。 ・あちこちから捏造と言われると制作者が萎縮し、あれもこれもやめようとなって良い番組が消えてしまう。制作者が萎縮する傾向になるほうが恐い。 ・ネットは個人の書き手に全責任が委ねられ、読む方もそれを前提にするメディアだから、ウソがあるからテレビがそれを叩くという企画自体がおかしいのではないか。 ・背後にウェブ世界の信頼性という大きな問題を抱えている。放送と通信の一律管理のような、テレビ番組だけで云々できない局面に本質があるのではないか。
 なんか、ものすごく奇妙です。言葉を借りれば「どこかで歯車が狂って」る。
4. 制作スタッフにやらせのインタビューをしたバラエティー番組
 ローカル局のバラエティー番組で、出演タレントが街頭ロケで女性の通行人の年齢当てをする。その通行人にはスポンサーが提供する景品が贈られるコーナー企画。ところがインタビューされたのは制作スタッフの女性であった。
 参照:テレビ愛知でやらせ…通行人装いインタビュー
 テレビ愛知によると、番組は1月16日未明に放送した「松井誠と井田国彦の名古屋 見世舞(みよまい)」。名古屋市内の観光地で出演者が通行人に感想を尋ねるコーナーに、メーク担当の女性スタッフ2人が出演した。  再放送直後の22日、視聴者からメールで指摘を受けたテレビ愛知が番組制作会社「ビデオネット」(同市)に問い合わせたところ、「出演者に次の予定があり、通行人を探す時間がなかった」と事実を認めた。
 これっぽいです。なんでバレたのかというと記事では「登場した「通行人」と、番組最後に表示されるスタッフの名前が同じ」だからだったそうで、見つけた人すごいなぁ。  このあと、テレビ愛知は謝罪してこの番組は打ち切りになったそうです。  さて、これはどうなったのかというと…… 結論:単体の番組としては取り上げないが、バラエティー論を議論するときの材料に加えることにした。
 <主な委員の意見> ・当該局の対応は過剰反応ではないか。調査委員会を立ち上げてどのようなことが報告されるのだろうか。 ・ローカル局にとって1社提供スポンサーが大切なのはわかるが、視聴者対策よりもスポンサー対策が優先しているのではないか。それに倫理問題が利用されているようにもみえる。 ・インタビュー相手がいないならば、「今日はスタッフに聞きました」で済む話ではないのか。欧米ではやらせにならなくても日本はちょっと神経質なぐらい厳格にやらせにしてしまう。そこまで目くじら立てて取り上げる気はない。 ・やらせとか捏造という倫理を問うキーワードが便利なものとして流通していて、テレビたたきの便利な道具に使われている。 ・放送局の営業や代理店は、その番組が買い切りのスポンサーになった瞬間に番組全体がCMであるかのような錯覚を持つようになることがある。その錯覚が問題だ。 ・通行人にインタビューするくらいのことに手抜きをするべきでない。現場の一人一人が横着であり、その横着さと安直さがまん延しているのが許せない。このようなリアクションでは、局は何も良くならない。視聴者のほうを向いていないし、これでは自らの制作活動への自省がないから、今後、も起きてくるのではないか。
 上を見た後なんでだいたい察しはついたと思いますが……こんな感じで逆にキレられてる印象です。  要するにね。やらせや捏造も大した問題にもならずレベルが低くて悪意がなければ許すみたいな、そんな感じみたいです。  たぶんこれからもどんどんエグい番組が増えると思うので活発な議論を希望しております。  ……で、最後になんだけど。
1.戦時性暴力を扱ったNHKの「ETV2001」事案
 8年前に放送されたノンフィクション番組『ETV2001「シリーズ戦争をどう裁くか 第2回問われる戦時性暴力」』の制作過程において、政治的な圧力により内容が不当に改変されたと関係者が主張している事案について、2回目の審議(討議を含めると6回目)を行った。
 これまだやってたの? 確かに「放送倫理検証委員会」は委員会の判断でいつでも審議対象にできるけど、他の事案に比べればいくらなんでも古くない?  併設の「青少年委員会」は放送後3か月以内、「人権侵害等の申立て」は放送後3か月以内に放送局に申し立てた上でかつそれが未解決で1年以内に委員会に申し立てられないと審議されないのに。  まぁ規則は規則で通ってるんだから早々に結論が出ることを祈ります。

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