2009年6月12日金曜日

「第25回 放送倫理検証委員会」を読む

第25回 放送倫理検証委員会 http://www.bpo.gr.jp/kensyo/giji/2009/025.html
虚偽証言をスクープとして放送した日本テレビの報道番組『バンキシャ』
 前回、放送倫理検証委員会が脚光を浴びることになったこの件について設置したプロジェクトチームからの中間報告。
<主な委員の意見> * 全ての元凶は制作時間の短さだ。真相を究明するということよりも、放送日に間に合わせるようにしようとすることが、曖昧で中途半端な取材になる原因だ。可哀想なくらい現場のディレクターが駆け回っているという状況を作ってしまっている。 * 画が取れれば何でもいいという、映像至上主義的な感じがする。組織としてチームでやっているはずだが、実態はチームになっていない。お互いの連絡は不十分で、てんでばらばら、チェック機能が働いていない。 * 正確な意味で誰も価値判断していない。裏付けを取ろうと提言してみたところで、この構造である限りまた起きる。そこが一番問題。 * こういうことがおきないためには(1)責任体制の確立(2)責任者の資質をたかめること(3)告発を疑うスタンスをもつこと、が大事だ。 * 制作者は、こうすれば視聴者が "怒り"を抱くだろうと安易に演出しているようにみえる。その手法は報道番組ではなく「水戸黄門」を見ているようだ。「俺たちが正義だ」というような感じがする。
 自分の意見的には事件を告発する番組にあって番組自体の屋台骨を支える事件情報の価値を見極める人間がいないか能力が低いのが、必要な情報に対する裏付けの意識の希薄にして不要な情報に演出を注ぎ込むという現状につながっているような。  この「事件情報の価値を見極める」能力ってのはテレビの中なら一番間違いが許されない報道にあるはずなんだけど、おそらく今は報道にすらもいないのか、それとも番組自体がすでにドラマやバラエティのスタッフで作られていると思われ。  刑事ドラマで「探偵ごっこはやめろ」って刑事に言われるレベルで他人の犯罪を暴こうという姿勢と意識が報道のそれではなくなっているわけで。
バラエティー番組の問題点について
<主な委員の意見> * 報道系の問題は事実をきちんと伝える義務があるから、その判断基準に従って議論できる。しかし、バラエティーは、視聴者を楽しませたかどうか、視聴者と良好な関係が作られているかどうかといった別の軸が必要ではないか。 * バラエティー番組のアウトソーシング先は、制作プロダクション、芸能プロダクション、スポンサーないしは営業(代理店)の3つ。放送局の制作者がこの外部3組織との間で、主体性を持てなくなったことが、放送倫理と深い関係があるのではないか。 * 最近のバラエティー番組の傾向は、視聴者が生身のタレントの姿を求めるようになってきたので、台本が邪魔になってきた。この変化が、バラエティー制作者の横着さを生んだのではないか。
 わー、ホントに当たり障りのない返事ばかりになってきた。  でもバラエティの台本が不要になって制作者が堕落したってのもなぁ。
 「こういうバラエティーが良いバラエティー番組だからこのように作りなさい」という結論は、この委員会としては言うべきではないという点では一致し、引き続き議論を継続することにした。
 そんなの最初から(略
「BPO報告」等における局名・番組名の公表ルールについて
 従来、委員会の「討議」事案をBPO報告に記載するときは、放送局名や番組名は公表しないことを原則としてきた。しかし、新聞や週刊誌などのメディアで既に周知されている事案については匿名にする必然性がないので、今後は原則として公表することとした。
 意見投稿の方を(略

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